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メジャーリーグ全30球団一覧【2026最新】地区分けと日本人所属を完全網羅

橘 遼 橘 遼 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
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大谷翔平選手や山本由伸選手を擁するロサンゼルス・ドジャースの快進撃、そして海を渡る日本人トッププレイヤーたちの躍動により、日本国内におけるMLB(メジャーリーグベースボール)への関心は空前の高まりを見せています。2026年シーズンを迎えた現在、日米の野球ファンの熱視線は単なる個人の活躍にとどまらず、全30球団が織りなす熾烈なペナントレースやチーム力そのものへと向けられています。

広大な北米大陸に点在する球団群は、歴史ある「アメリカン・リーグ」と「ナショナル・リーグ」の2つに大別され、さらに地理的な条件に基づき東地区・中地区・西地区の計6地区に分かれています。観戦をより深く楽しむためには、各球団の本拠地環境、キャップロゴに象徴されるチームカルチャー、そして圧倒的な資金力を持つメガクラブと巧みな育成で対抗するスモールマーケット球団の構図を把握することが欠かせません。本稿では、2026年の最新情勢を踏まえたメジャーリーグ全30球団のガイドをお届けします。

【2026年最新】メジャーリーグ全30球団の仕組みとMLB地区分け

メジャーリーグチーム一覧

世界最高峰のプロ野球リーグであるメジャーリーグベースボール(MLB)は、全30球団によって構成されています。その内訳は、アメリカ合衆国本土に本拠地を置く29球団と、カナダのトロントに本拠地を置く1球団(ブルージェイズ)です。日本プロ野球(NPB)のセ・パ12球団と比較すると2.5倍の規模を誇り、リーグ運営のシステムも大きく異なります。

MLBの基本構造は、1901年に発足したアメリカン・リーグ(AL)と、1876年に創設された歴史あるナショナル・リーグ(NL)の2大リーグ制です。かつては指名打者(DH)制の有無が両リーグの決定的な違いでしたが、2022年以降はナ・リーグにも恒久的にDH制が導入され、ルール上の差異は実質的になくなりました。現在では、移動距離の軽減や地域ごとのライバル関係を考慮した「東地区」「中地区」「西地区」の各5球団による地区制が採用されています。

北米大陸は東海岸と西海岸で3時間の時差があり、過酷な移動を伴うスケジュールが選手のコンディションや勝敗を大きく左右します。年間162試合におよぶ過密日程の中で、同地区内のライバル対決(地区内対戦)はもちろん、インターリーグ(交流戦)を含めた対戦カードが緻密に組まれています。公式戦の順位表をチェックする際は、まず「ア・ナどちらのリーグか」「どの地区に属しているか」を把握することが観戦の第一歩となります。

アメリカン・リーグ(AL)15球団一覧|東地区・中地区・西地区の特徴

アメリカン・リーグは、伝統的な名門球団から先進的なデータ野球を駆使する新興勢力まで、極めて多彩な顔ぶれが揃っています。各地区の所属球団と本拠地、略称は以下の通りです。

アメリカン・リーグ東地区(AL East)
  • ニューヨーク・ヤンキース(NYY)|本拠地:ヤンキー・スタジアム(ニューヨーク州ニューヨーク)
    通算27回のワールドシリーズ制覇を誇るMLB屈指の名門。ピンストライプのユニフォームと「NY」のロゴは世界的なアイコンです。
  • ボストン・レッドソックス(BOS)|本拠地:フェンウェイ・パーク(マサチューセッツ州ボストン)
    ヤンキースの宿敵であり、1912年開場のグリーンモンスター(巨大左翼フェンス)で名高い最古の球場を本拠とします。吉田正尚選手らが所属し、日本でも高い知名度を誇ります。
  • ボルチモア・オリオールズ(BAL)|本拠地:オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ(メリーランド州ボルチモア)
    卓越したドラフト戦略と若手育成で強豪へと返り咲いた伝統球団。現代ボールパーク建築の先駆けとなった美しい本拠地球場が特徴です。
  • タンパベイ・レイズ(TB)|本拠地:トロピカーナ・フィールド(フロリダ州セントピーターズバーグ)
    限られた年俸総額の中で、徹底したセイバーメトリクスとオープナー戦術などを生み出し続ける頭脳派スモールマーケット球団です。
  • トロント・ブルージェイズ(TOR)|本拠地:ロジャーズ・センター(カナダ・オンタリオ州トロント)
    MLB唯一のカナダ拠地球団。開閉式ドーム球場を本拠とし、強打を武器に熱狂的なカナダ全土のファン層に支えられています。
アメリカン・リーグ中地区(AL Central)
  • クリーブランド・ガーディアンズ(CLE)|本拠地:プログレッシブ・フィールド(オハイオ州クリーブランド)
    堅牢な投手育成システムと機動力野球で常に上位を争う好チーム。旧称インディアンスから改名し、強固な地域密着基盤を持ちます。
  • シカゴ・ホワイトソックス(CWS)|本拠地:ギャランティード・レート・フィールド(イリノイ州シカゴ)
    シカゴ南部に根を張る古豪。白と黒の精悍なロゴデザインはヒップホップカルチャーやストリートファッションでも定番です。
  • デトロイト・タイガース(DET)|本拠地:コメリカ・パーク(ミシガン州デトロイト)
    自動車産業の街を象徴する歴史ある球団。かつて野茂英雄選手らも在籍し、近年は若手有望株の台頭で巻き返しを図っています。
  • カンザスシティ・ロイヤルズ(KC)|本拠地:カウフマン・スタジアム(ミズーリ州カンザスシティ)
    外野の壮大な噴水が象徴的な本拠地を持ち、手堅い守備と走塁を軸にしたスモールボールでファンを魅了します。
  • ミネソタ・ツインズ(MIN)|本拠地:ターゲット・フィールド(ミネソタ州ミネアポリス)
    ミネアポリスとセントポールの「双子都市」を代表する球団。寒冷地の開放型ボールパークで繰り広げられる粘り強い野球が信条です。
アメリカン・リーグ西地区(AL West)
  • ヒューストン・アストロズ(HOU)|本拠地:ダイキン・パーク(旧ミニッツメイド・パーク/テキサス州ヒューストン)
    2010年代後半から黄金期を築き上げた強豪。2025年からは日系空調大手ダイキン工業が命名権を取得したことでも話題を集めています。
  • ロサンゼルス・エンゼルス(LAA)|本拠地:エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(カリフォルニア州アナハイム)
    かつて大谷翔平選手が二刀流の金字塔を打ち立てた地。温暖な南カリフォルニアに位置し、再建期の中で新たなスター誕生が待たれます。
  • オークランド・アスレチックス(ATH / 旧OAK)|本拠地:サッター・ヘルス・パーク(カリフォルニア州サクラメント/暫定)
    映画『マネーボール』の舞台。将来的なラスベガス移転を控え、現在はサクラメントのマイナー球場を暫定本拠地とする異例の移行期にあります。
  • シアトル・マリナーズ(SEA)|本拠地:T-モバイル・パーク(ワシントン州シアトル)
    イチロー氏が伝説を築き、日本企業(任天堂)が長年オーナーシップを持っていたことから、日本国内で最も親しまれてきた球団の一つです。
  • テキサス・レンジャーズ(TEX)|本拠地:グローブライフ・フィールド(テキサス州アーリントン)
    2023年に球団初のワールドシリーズ制覇を達成。空調完備の最新開閉式ドーム球場を擁し、強力打線と積極的な大型補強が光ります。

ナショナル・リーグ(NL)15球団一覧|東地区・中地区・西地区の特徴

ナショナル・リーグは、1876年設立という世界最古のプロスポーツ組織の伝統を誇り、全米の大都市圏を中心に熱狂的なコミュニティを形成しています。

ナショナル・リーグ東地区(NL East)
  • アトランタ・ブレーブス(ATL)|本拠地:トゥルーイスト・パーク(ジョージア州アトランタ)
    強固な長期契約で若手主力選手を囲い込み、極めて安定的かつ圧倒的な攻撃力を誇る東地区の絶対的な強豪です。
  • マイアミ・マーリンズ(MIA)|本拠地:ローンデポ・パーク(フロリダ州マイアミ)
    中南米系文化が色濃いマイアミに位置し、若手投手陣のポテンシャルが高く、過去にワイルドカードから2度の世界一に輝いた歴史を持ちます。
  • ニューヨーク・メッツ(NYM)|本拠地:シティ・フィールド(ニューヨーク州ニューヨーク)
    大富豪スティーブ・コーエン氏の買収後、MLBトップクラスの巨額資金を投じるビッグマーケット球団。千賀滉大投手がエース格として君臨します。
  • フィラデルフィア・フィリーズ(PHI)|本拠地:シチズンズ・バンク・パーク(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
    全米屈指の熱狂的かつ手厳しいファンを背に、スター選手が躍動する爆発力満点のチーム。ポストシーズンの本拠地熱狂度はMLB最高峰です。
  • ワシントン・ナショナルズ(WSH)|本拠地:ナショナルズ・パーク(ワシントンD.C.)
    合衆国の首都に位置し、2019年の世界一以降は世代交代を推進。スピード感あふれる若手主体のチーム構成へと舵を切っています。
ナショナル・リーグ中地区(NL Central)
  • シカゴ・カブス(CHC)|本拠地:リグレー・フィールド(イリノイ州シカゴ)
    1914年開場のツタの絡まる外野フェンスが名物。鈴木誠也選手や今永昇太投手が投打の柱として活躍し、日本での注目度が急上昇しています。
  • シンシナティ・レッズ(CIN)|本拠地:グレート・アメリカン・ボール・パーク(オハイオ州シンシナティ)
    1869年創設の現存最古の球団起源を持つ古豪。エリー・デラクルーズ選手をはじめとする破格のアスリート軍団が旋風を巻き起こしています。
  • ミルウォーキー・ブリュワーズ(MIL)|本拠地:アメリカンファミリー・フィールド(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
    ビール醸造の街に本拠を置き、開閉式ドームと巧みな投手運用、鉄壁のディフェンスで中地区の上位常連として君臨します。
  • ピッツバーグ・パイレーツ(PIT)|本拠地:PNCパーク(ペンシルベニア州ピッツバーグ)
    ダウンタウンの摩天楼と黄色い橋を望む「MLBで最も美しい球場」と評される本拠地を持ち、怪腕ポール・スキーンズ投手など若き逸材が揃います。
  • セントルイス・カージナルス(STL)|本拠地:ブッシュ・スタジアム(ミズーリ州セントルイス)
    ヤンキースに次ぐ通算11回の世界一を誇る名門。「ベースボール・タウン」と呼ばれるほど熱心で野球眼の肥えたファンが街を赤く染めます。
ナショナル・リーグ西地区(NL West)
  • ロサンゼルス・ドジャース(LAD)|本拠地:ドジャー・スタジアム(カリフォルニア州ロサンゼルス)
    大谷翔平選手、山本由伸選手が所属し、名実ともに世界野球の中心地となった超名門。圧倒的なブランド力、観客動員数、年俸総額を誇ります。
  • サンディエゴ・パドレス(SD)|本拠地:ペトコ・パーク(カリフォルニア州サンディエゴ)
    ダルビッシュ有投手が精神的支柱を務める西海岸の人気球団。積極果敢な大型補強と美しいボールパークが地元ファンの熱烈な支持を集めます。
  • アリゾナ・ダイヤモンドバックス(AZ)|本拠地:チェイス・フィールド(アリゾナ州フェニックス)
    砂漠地帯の開閉式ドームを本拠とし、俊足と機動力を活かしたスモールベースボールで並み居る強豪を脅かす難敵です。
  • コロラド・ロッキーズ(COL)|本拠地:クアーズ・フィールド(コロラド州デンバー)
    標高約1,600mの高地に位置し、気圧が低く打球が飛ぶ「打者天国」を本拠地に持ちます。投手陣の適応がチーム作りの最大の課題です。
  • サンフランシスコ・ジャイアンツ(SF)|本拠地:オラクル・パーク(カリフォルニア州サンフランシスコ)
    ドジャースとの歴史的宿敵。右翼フェンス後方の海「マッコビー・コーブ」に飛び込むスプラッシュヒットで知られる名門球団です。

【一覧表で比較】MLB全30球団の戦力・資金力・本拠地スペック総覧

MLBの各球団を理解する上で、本拠地の立地やチームの年俸規模(市場規模)は極めて重要なファクターです。以下の比較表では、全30球団のリーグ・地区分類、本拠地球場、およびチームの資金力や戦力特性を整理しました。

球団名(略称) 所属地区 本拠地球場(所在地) 資金規模・年俸水準 編集部の見解・戦力特性
ロサンゼルス・ドジャース(LAD) ナ・リーグ西地区 ドジャー・スタジアム(CA州) 超大型(MLBトップ群) 大谷・山本らスター選手と厚い選手層を誇るMLBの盟主。
ニューヨーク・ヤンキース(NYY) ア・リーグ東地区 ヤンキー・スタジアム(NY州) 超大型(MLBトップ群) 伝統と巨額年俸の象徴。常に優勝だけが義務付けられる重圧。
ニューヨーク・メッツ(NYM) ナ・リーグ東地区 シティ・フィールド(NY州) 超大型(贅沢税常連) 千賀滉大投手が所属。オーナーの莫大な資産力で大型補強を継続。
シカゴ・カブス(CHC) ナ・リーグ中地区 リグレー・フィールド(IL州) 大型〜上位クラス 鈴木誠也・今永昇太の投打主軸が牽引。中地区奪還を狙う好チーム。
サンディエゴ・パドレス(SD) ナ・リーグ西地区 ペトコ・パーク(CA州) 中上位〜大型 ダルビッシュ有が君臨。スター選手を並べドジャースに対抗。
ボストン・レッドソックス(BOS) ア・リーグ東地区 フェンウェイ・パーク(MA州) 上位クラス 吉田正尚らが在籍。伝統的な名門で激戦の東地区を戦う。
アトランタ・ブレーブス(ATL) ナ・リーグ東地区 トゥルーイスト・パーク(GA州) 上位クラス(高効率型) 主力の長期囲い込みに成功。投打のバランスが極めて優れた強豪。
ヒューストン・アストロズ(HOU) ア・リーグ西地区 ダイキン・パーク(TX州) 上位クラス 常勝軍団としての勝負強さが健在。球場命名権の日系企業移行も注視。
ボルチモア・オリオールズ(BAL) ア・リーグ東地区 カムデン・ヤーズ(MD州) 中位〜上昇中 ファーム組織の質がMLB最高峰。若き才能が開花し黄金期へ。
タンパベイ・レイズ(TB) ア・リーグ東地区 トロピカーナ・フィールド(FL州) 下位クラス(最小限) 低予算ながら最先端アナリティクスで常勝を維持する奇跡の球団。
アスレチックス(ATH) ア・リーグ西地区 サッター・ヘルス・パーク(CA州暫定) 最下位クラス ベガス移転前の過渡期。マイナー球場使用など異例の環境下で奮闘。

日本人メジャーリーガー所属チームと2026年最新の勢力図

日本国内のファンにとって最大の関心事は、やはり日本人メジャーリーガー所属チームの動向です。2024年のドジャース世界一制覇以降、日本人選手の存在感は単なる「助っ人」の枠を完全に超え、フランチャイズの歴史を背負う主軸へと昇華しました。

報道各社の取材データおよび公式ロースターによると、ナショナル・リーグ西地区のロサンゼルス・ドジャースは、大谷翔平選手と山本由伸投手のダブル看板を中心に、名実ともに2026年MLB順位表の最前線を走り続けています。大谷選手が打者として異次元の打撃指標を叩き出しつつ、投手としての登板を重ねるフル稼働体制は、全米メディアの連日のトップニュースです。同じ西地区では、サンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手がベテランとしてチームの精神的支柱を務め、松井裕樹投手らとともにドジャースの牙城を崩すべく激戦を演じています。

一方、中地区ではシカゴ・カブスの存在感が際立ちます。中軸打者として安定した長打率と出塁率を記録する鈴木誠也選手と、精密機械のような制球力と空振り奪取率を誇る今永昇太投手の活躍により、カブスは中地区優勝候補の筆頭として定着しました。さらに東地区では、ニューヨーク・メッツのエース千賀滉大投手が必殺の「ゴーストフォーク」で三振の山を築き、ボストン・レッドソックスでは吉田正尚選手が卓越したバットコントロールで打線を牽引しています。このように、2026年の勢力図は日本人選手が所属する強豪球団がそのまま各地区の優勝争いを左右する構造となっています。

【実態検証】現地ファンカルチャーとキャップロゴ人気ランキングの真相

メジャーリーグの魅力はグラウンド上のプレーにとどまりません。ストリートカルチャーやファッションと密接に結びついたメジャーリーグキャップロゴの人気は、国境を越えて巨大なマーケットを形成しています。

スポーツ流通大手の販売データやSNSの着用頻度調査によると、グローバルで圧倒的な売上シェアを誇るのは依然としてニューヨーク・ヤンキース(NY)とロサンゼルス・ドジャース(LA)の2強です。ヤンキースのネイビー地にホワイトのロゴは、Jay-Zをはじめとするヒップホップアイコンによってストリートの正装として定着しました。一方、ドジャースの鮮やかなドジャーブルーに白のインターロッキング「LA」は、大谷翔平選手の移籍以降、日本およびアジア圏での売上が爆発的に急増し、ファッションアイテムとしての地位を不動のものにしました。

現地スタジアムを訪れた日本人ファンへの聞き取り調査やファンコミュニティの声からも、カルチャーの深さが伺えます。 「ドジャー・スタジアムのスタンドは、7回裏の『私を野球に連れてって(Take Me Out to the Ball Game)』の大合唱や、メキシコ系・白人・アジア系が入り混じった多様性そのもの。単なる試合観戦というより、巨大な野外フェスに参加している感覚に近い」(30代・現地観戦歴5年のファン)

さらに近年では、サンディエゴ・パドレスのブラウン&ゴールドというレトロモダンなカラーリングや、デトロイト・タイガースのクラシックなオールドイングリッシュ「D」のロゴも、ヴィンテージ志向の若年層の間でカルト的な人気を集めています。キャップロゴから入って特定チームのファンになるという入り口も、現代MLBの立派な楽しみ方の一つです。

一般に知られていない盲点とネットの誤解を解く

インターネット上の野球掲示板やSNSでは、MLBの仕組みについていくつかの典型的な誤解や思い込みが散見されます。正確な実情を把握しておくことで、ニュースの解釈や観戦の解像度が上がります。

誤解1:「年俸総額が高い金持ち球団が必ず勝つ」という俗説

「ドジャースやヤンキース、メッツのようなメガクラブが金を注ぎ込めば簡単に勝てる」という意見は半分正しく、半分は誤りです。MLBには「競争バランス税(贅沢税/CBT)」と呼ばれる厳しいペナルティ制度が存在します。一定の年俸上限を超過し続ける球団には、巨額の課徴金だけでなくドラフト指名順位の引き下げという重い罰則が科されます。事実、過去のシーズンでもタンパベイ・レイズやミルウォーキー・ブリュワーズのような低予算球団が、最先端のアナリティクスと卓越した育成力で高額年俸軍団を打ち破り地区優勝を果たす事例が頻発しています。MLBは単純なマネーゲームではなく、組織の育成知性と資金力の掛け合わせで勝負が決まるリーグです。

誤解2:「MLBはすべてアメリカ国内のチームである」という勘違い

意外と見落とされがちなのが、アメリカン・リーグ東地区に所属するトロント・ブルージェイズの存在です。本拠地はカナダ最大の都市トロントにあり、遠征時にはパスポートの携帯と税関通過が必要となります。ブルージェイズの試合前にはアメリカ国歌だけでなくカナダ国歌「オー・カナダ」が斉唱されます。かつてはモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)もカナダに拠点を置いており、MLBは名実ともに北米2カ国にまたがる多国籍リーグです。

誤解3:「アスレチックスはオークランドの球団」という過去の認識

長年「オークランド・アスレチックス」として親しまれた球団は、スタジアム老朽化と自治体との交渉決裂に伴い、2028年を目標とするネバダ州ラスベガスへの移転を決定しました。過渡期となる2025年〜2027年シーズンにかけては、カリフォルニア州の州都サクラメントにあるマイナー規格球場(サッター・ヘルス・パーク)を間借りして活動しています。そのため、現在の呼称は都市名を外した単なる「アスレチックス(Athletics)」が公式表記となっています。

【プロの結論】応援球団を選ぶ基準と観戦スタイル

これから本格的にMLBを観戦したい読者に向けて、応援球団選びの明確な判断基準を提案します。スポーツエンターテインメントの受容という社会心理学的視点から見ると、ファンの定着には「生活リズムとの親和性」と「共感の源泉」が決定的に重要です。

  • 西海岸球団(ドジャース、パドレス、ジャイアンツなど)が向いている人:
    日本の午前中〜昼前(午前10時〜午後1時頃)に観戦できる生活環境の人。大谷選手やダルビッシュ選手ら日本人スーパースターの活躍を日常的にリアルタイムで追いたい人に最適です。
  • 東海岸球団(ヤンキース、レッドソックス、メッツなど)が向いている人:
    日本の早朝(午前8時前後プレイボール)に行動を開始する朝型の人。100年以上の歴史が紡ぎ出す重厚なライバル対決や、熱烈なニューヨーカーのメディアバッシングも含めたドラマ性を楽しみたい人におすすめです。
  • 慎重になるべきケース:
    時差の計算が合わず、通勤電車の中で試合終了結果だけを見てフラストレーションを溜めてしまう人は、推し球団を1つに絞るのではなく、週末に気になる好カードだけをサブスクリプション配信の追っかけ再生で観る「カード厳選型」のスタイルから始めるのが健全です。

【メジャーリーグ チーム 一覧】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:MLB全30球団はどのように分かれていますか?
A1:アメリカン・リーグ(15球団)とナショナル・リーグ(15球団)の2つのリーグに分かれています。さらにそれぞれのリーグ内で、地理的な位置に応じて「東地区」「中地区」「西地区」の各5球団に細分化されています。アメリカ合衆国に29球団、カナダに1球団が所属しています。

Q2:2026年現在、日本人選手が多く所属している注目チームはどこですか?
A2:最注目は、大谷翔平選手と山本由伸投手が所属するロサンゼルス・ドジャースです。さらにダルビッシュ有投手のサンディエゴ・パドレス、鈴木誠也選手と今永昇太投手のシカゴ・カブス、千賀滉大投手のニューヨーク・メッツ、吉田正尚選手のボストン・レッドソックスなどが主要な観戦ターゲットとなっています。

Q3:キャップロゴで一番人気がある球団はどこですか?
A3:世界的な売上と認知度ではニューヨーク・ヤンキース(NY)が歴代トップですが、大谷翔平選手の世界的ブレイク以降はロサンゼルス・ドジャース(LA)のブルーキャップがそれに匹敵する爆発的な人気を誇っています。また、パドレスの茶×金ロゴやホワイトソックスのモノトーンロゴもストリートファッションで根強い支持を得ています。

Q4:アメリカン・リーグとナショナル・リーグのルールに違いはありますか?
A4:かつてナショナル・リーグは投手が打席に立ち、アメリカン・リーグは指名打者(DH)制を採用していましたが、2022年シーズンからナ・リーグにも恒久的にユニバーサルDHが導入されました。現在では両リーグの競技ルールに実質的な違いはなく、ポストシーズンまで統一されたレギュレーションで戦われます。

メジャーリーグ全30球団は、それぞれが本拠地都市の文化、気候、歴史、そして独自のチーム哲学を色濃く反映した魅力的な集合体です。大谷翔平選手や山本由伸選手が牽引するドジャースのようなメガクラブの圧倒的な強さを味わうのも一興ですし、レイズやオリオールズのように緻密な育成とデータ戦略で巨人に挑むチームのプロセスに感情移入するのもMLB観戦の大きな醍醐味と言えます。

2026年シーズンは、日本人トッププレイヤーたちのタイトル争いはもちろん、サクラメントに暫定拠点を置くアスレチックスの動向や、日系企業が命名権を獲得したヒューストンのダイキン・パークなど、日本と北米を結ぶトピックが目白押しです。ア・ナ両リーグと東・中・西の地区分け、そして各球団の背景を頭に入れた上で日々の順位表やダイジェストを追うことで、海の向こうで繰り広げられる世界最高峰のベースボールドラマが、これまで以上に立体的な感動となって迫ってくるはずです。

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橘 遼
コンテンツディレクター 橘 遼
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